影響学ジャーナル
関連授業
大学院/
パフォーミング・アーツ論 I(2021S/A)
「影響の考古学:インフルエンティアからインフルエンザを通ってインフルエンサーまで」
後期課程/舞台芸術論(2023S)
「影響の流出史」

東京大学副産物ラボ(中井悠研究室)では「影響」という概念を実践的に研究するプラットフォームとして、このたび影響学ジャーナルを編纂する運びとなりました。この出版物では毎号、特定のテーマに「影響」というレンズを通して多角的に焦点を当てていきます。

創刊号【墓の影響学】掲載論考公募

2024年に出版予定の創刊号の特集は【墓】です。このテーマに関連して本媒体に掲載を希望する広い意味での論考——学術論文だけではなく、エッセイ、詩、ドローイング、コンセプト案、ダイアグラム、設計図などを含む——を世界中から募集します。

この世のほとんどの生産物が特定の存在者が生きている間に作り出された《存在の内容》の記録であるのに対して、「墓」という死者を葬るための仕掛けはある存在者が生きたという《存在の事実》そのものの記録だと考えることができます。そして、そのような特異な残存物として有限の生を不特定の未来における広い意味での再生可能性に開くという点で、「墓」はもっとも基礎的な《影響の装置》のひとつだと言えるかもしれません。効果を受けとる側において成立する作用を先取りするような因果のねじれを孕んだ「影響」の力学と「墓」の交差を起点にしながら、「葬礼」「埋葬」「供養」「宗教」などといった死をめぐる営みと概念のネットワークを解きほぐしていくと、どのような理論と実践が切り拓けるでしょうか。影響学ジャーナルという媒体の誕生にあたって、生に避けがたく畳み込まれている終焉と再生の可能性を、《影響の装置》としての「墓」の具体的な作動と振る舞いを通じて幅広く探ってみたいと思います。葬送方式、墓標や墓地の多様な形態と制度的区分、国家や政治経済との絡み合い、「自然葬」や「葬送の自由」をめぐる議論、「墓選び」や「生前葬」における時間の先取り、可能/不可能な墓のプロポーザル、あるいは墓を扱った芸術、文学やゲームなど、様々な分野と角度から刺激的な論と案をお待ちしています。

●選考は二段階にわたって行なわれます。応募される方は、まず2023年10月31日までに、論考の概要を簡潔に説明する500字程度のアブストラクト(要旨)を下のフォームから提出するか、名前を所属を記載のうえ
info@selout.siteに送ってください。ラボで審査を行ない、結果の連絡を差し上げます。実際の論考の締め切りは2023年12月31日を予定しています。提出された原稿を査読したうえで最終的な掲載の可否をお知らせしまう。

●執筆は日本語と英語のどちらでも構いません。それ以外の言語に関しては別途相談してください。採用された論考は(必要に応じて)日本語であれば英語に、英語であれば日本語に翻訳する予定です。

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